効率の良いルブのやり方(リニアキースイッチ編)
このページではキースイッチの効率の良いルブのやり方を紹介します。キースイッチを押したときの感触が、明らかに滑らかになりますので、多少手間はかかるもののやるメリットは大きいです。
他の解説ではハウジングにもルブを塗る手順が紹介されていることが多いですが、ここではハウジングには塗らずステム側だけに塗ります。なぜなら、ステムに塗るだけで樹脂パーツ同士が接触する箇所は潤滑できるからです。作業箇所が少なくなることで、作業時間の短縮に繋がります。
以下の動画でも、ステム側だけに塗る手順が勧められています。ハウジングに塗らないことで、過剰に塗って失敗してしまうリスクが避けられるとのことです。
準備するもの

アイテム名 | 用途 |
---|---|
ルブ(潤滑剤) | GLP205 G0: 主にステムに塗る GPL105: 主にスプリングに塗る |
スイッチオープナー | キースイッチの分解に使う |
ルブステーション | なくても可能だけど、あると効率的に作業できる |
ステムホルダー | ステムにルブを塗るときに使う、必須ではないがあると便利 |
筆、マイクロアプリケーターなど | ステムにルブを塗るときに使う |
チャック付ポリ袋 | スプリングにルブを塗るときに使う |
1: キースイッチの分解
スイッチオープナーを使ってキースイッチを分解します。Kailh 社製のスイッチと、それ以外の Cherry MX 互換スイッチで形状が違うので、対応したスイッチオープナーが必要です。
以下は、両方に対応したスイッチオープナーの Cherry MX 側での使用例です。

爪の部分に入り込むように真上から押し込むと、分解できます。

左から、ボトムハウジング、トップハウジング、ステム、スプリングの 4 つに分かれます。ボトムハウジングについている金属パーツは外さずにそのままにしておきます。

それぞれ、作業用のトレイに分けるなどして、紛失しないようにしてください。
2: スプリングへの塗布
スプリングには GPL105 を使います。スプリングをまとめてポリ袋に入れて、その中に GPL105 を注ぎ込みます。ポリ袋に空気を入れて膨らませてから閉じて、あとはそれを振るだけです。
GPL105 は液状なので、少量でもスプリング全体に馴染ませることができます。

3: ステムへの塗布
次にステムへ GLP205 を塗布します。
筆を使ってもいいのですが、使用後に手入れが必要なので、使い捨てにできるマイクロアプリケーターのほうが良いかと思います。
ステムホルダーを使って、キーキャップを装着する側の十字になっている方を掴みます。塗る箇所は、以下の赤線で囲んだ通りです。キーキャプを装着する側以外、全体にまんべんなく塗ります。

白くまだらになった箇所が残らないように、しっかりと伸ばしていきます。(以下の写真は、まだ少しまだらになってる部分があります 😅)

4: キースイッチの組み立て
まず、ボトムハウジングにスプリングを乗せます。
以下の写真では、スイッチオープナーの裏側の穴を使っています(はめ込まずに乗せてるだけ)。

次に、スプリングの上にステムを乗せます。グラグラしますが、まっすぐ乗せれば安定します。

ステムの形状は向きがあるので間違えないように注意です。飛び出している部分が金属パーツに当たるのが正しい向きになります。
